葬儀の日程を調整する中で、多くの方が悩むのが「週末(土日)に行うべきか、平日に行うべきか」という点です。特に、故人が会社関係や友人・知人など、幅広い交友関係を持っていた場合、参列者の都合を考えると週末の葬儀は有力な選択肢となります。週末に行う葬儀には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。最大のメリットは、何といっても「多くの人が参列しやすい」という点です。土日休みの方が多いため、会社や学校を休むことなく、友人・知人や遠方の親族も駆けつけやすくなります。故人と縁のあった多くの方々に見送ってもらえることは、ご遺族にとって大きな慰めとなるでしょう。特に、金曜日にお通夜、土曜日に告別式という日程は、仕事帰りに通夜に参列し、翌日の告別式にも出席しやすいという理由から、非常に人気のある組み合わせです。また、ご遺族や親族自身も、忌引休暇の取得日数を最小限に抑えつつ、落ち着いて葬儀に臨むことができるという利点もあります。一方で、デメリットも少なくありません。多くの人が参列しやすいということは、それだけ斎場や火葬場の予約も集中するということです。特に土曜日の午前中は予約が殺到するため、希望の時間帯を確保するのが難しくなる可能性があります。また、斎場が混み合うため、他の家の葬儀と時間が重なり、駐車場が満車になったり、ロビーがごった返したりと、慌ただしい雰囲気の中でのお別れになってしまうことも考えられます。さらに、宗教者(僧侶など)の予定も、法事などで週末は埋まっていることが多く、菩提寺の住職にお願いするのが難しいケースも出てきます。週末に葬儀を行うかどうかの判断は、故人の社会的関係や、ご遺族がどのようなお別れを望むかによって変わってきます。広く多くの方に見送ってほしいと願うならば週末が適していますが、近親者のみで静かにお別れをしたい家族葬などの場合は、あえて混雑する週末を避けるという選択も十分に考えられるのです。