葬儀当日は、告別式の開式をもって慌ただしく始まると考えがちですが、実はその数時間前から、遺族と参列者の双方にとって、重要な準備の時間が流れています。開式までの時間をどのように過ごすかで、その日一日の心の持ちようも変わってきます。まず、喪主やご遺族は、開式の2時間前には斎場に入り、準備を始めます。この時間帯は、葬儀全体の最終確認を行うための、極めて重要な時間です。葬儀社の担当者と、当日の流れ、席次、供花の配列、返礼品の数、火葬場への移動手段と同行者の人数など、細部にわたる最終打ち合わせを行います。ここで疑問点や不安な点をすべて解消しておくことが、後のトラブルを防ぐ鍵となります。また、僧侶が到着したら、控え室へご挨拶に伺い、お布施をお渡しするのもこのタイミングが一般的です。そして、弔問客が訪れ始める前に、故人が安置されている場所へ行き、家族だけで静かにお別れをする時間を持つことも大切です。一方、一般の参列者は、開式の30分前から15分前を目安に会場に到着するようにします。早すぎる到着は、まだ準備が整っていない遺族やスタッフに気を遣わせてしまうため、避けた方が良いでしょう。自宅で喪服に着替え、香典や数珠、袱紗などの持ち物を最終チェックしてから家を出ます。移動時間は、交通渋滞なども考慮し、余裕を持って計画しましょう。会場に到着したら、まず受付で記帳とお悔やみを述べ、香典を渡します。その後、クロークにコートなどを預け、式場内へと進みます。式場内では、すでに多くの参列者が着席し、静かな時間が流れています。携帯電話の電源を切り、係員の案内に従って自分の席に着きます。知人がいても、挨拶は目礼程度に留め、私語は慎みます。そして、祭壇に飾られた故人の遺影を見つめ、静かに手を合わせながら、故人との思い出を心に浮かべ、開式の時を待ちます。この静寂の時間が、慌ただしい日常から離れ、故人を偲ぶための心の準備を整えてくれるのです。
葬儀当日の朝、開式までにすべきこと